「…しかも食い物まである。お前らあれか、「街」から出てきたガキ共か?」
別の男がそう言った。
けれど倫子はそれを無視して、凶悪な盗賊共に高らかに言い放つ。
「ちょっとあんた等、汚い足で踏むの止めてよ」
なにを、と訊くのは愚問だった。
埃まみれの男達は、地に蔓延する緑を気に掛けることなく無遠慮にその歩を進めてきている。
がさがさと踏み潰されるそれは、痛々しいまでに折れ曲がり、変色していた。
「しかも臭いしさぁ。それでよく雲雀を襲おうだなんて思うわ。バチがあたんぞ、ドカス」
相手が盗賊でも口の悪さは健在だ。
そんな倫子に、雲雀は一瞥をくれる。
「…誰がバチを下すの?」
「私に決まってんだろが!」
「ありがとう」
「いや、礼には及ばんよ」
相変わらずのふたりのペースのまま、高らかに言い放った後は盗賊に喧嘩を売り始めた。
なにやってるんだ、こいつら―――殺される。
思わず、雲雀の服を掴む。
倫子は口は悪いけど女だ。
殺されるよりもっと酷いことをされるかもしれない。
それは雲雀も同様だけど、でも―――。


