―――ガサッ。
そうこうして、そろそろ涙が枯れてきた頃、乱暴に草木を踏みつける音がした。
「…なんだあ、こんなところに人がいやがる」
それから皺枯れた乱雑な響き。
複数の気配。
カチャカチャと金具が鳴る音。
それが「なに」か解った瞬間、びくりと肩が震えた。
「…ヒカリ、立って」
倫子にしがみついていた俺の腕を取り、雲雀がそう囁く。
倫子は俺を気遣うように優しく抱き起こし、自分の背中に隠した。
倫子と雲雀の影から見ると、一体どこから湧いたのか、体格のいい男達がぞろぞろと緑の領域に足を踏み入れていた。
「お、イイ顔が居るじゃねえか」
恐らくは首領格の男。
腰に鋭利な巨剣を差し、いかにもな風貌だが、雲雀を見て下品な笑い声を上げた。
男だということは見抜いているらしかったが、顔が美しければ関係ないらしい。
(…最悪だ)
ぼさぼさの不精髭を生やした口周りで、男達は涎を垂らさんばかりににやにやと嗤う。


