「太陽が大地に届けば植物の芽が出るよ。植物が育てば空気もきれいになる。そうして洗浄された雨が降れば更に芽が育つ。そのきれいな空気がまた天で雨になるでしょ。そして海もきれいになったら命が産まれるよ。そしたらいつかそれを人間が食べることが出来る。大地が新しくなれば当然、毒を吸収して育つ植物も減るから畑ができる。そうしたら貧困が少しずつ減っていくかもしれない。今飢えに苦しんでる子たちが、季節や時期に関係なく、美味しいものが食べれるようになってくる」
俺の手を引きながら、倫子がそう言った。
前を歩く雲雀から、説明する順序がめちゃくちゃだね、とダメ出しを入れられている。
そして俺は、まるで夢物語でも聞いているような気分になってきた。
この草木一本生えていない大地が、まさか美しく産まれかわろうとしているようにはどうしても思えなかったからだ。
「…そんなのまだまだ先の話だ。草木が育つのにはすげー長い時間がかかるって父ちゃんが言ってた。一日二日とかじゃなくて、何年も何年もかかるんだ」
甘ったれたことを語る倫子に腹が立って、俺は思わず声を大きくした。
けれど倫子は目を丸くしたあと、にやり、余裕の顔で笑いやがる。


