「…誰がひょろいの?」
―――そして、静かに掛けられた声に背筋を引っ掻きまわされるような思いをした。
隙を見せない冬の寒さのような声色に身が竦み振り向けずにいると、俺を抱えていたミチコが代わりに声をかける。
「おかえり。やっぱり盗賊だった?何人?」
もぞもぞ。眠け眼のままでヒバリを見上げている。
「四人。リーダー格は見当たらなかったから、獲物を探すための見回りだったのかもしれない」
言いながら軽く両手を払い、再び布団の中に潜り込んできた。
冷たい冷気がするり、隙間に入り込む。
「…!」
そうして布団が払われた際に巻き起こった風に、よく知るにおいが混じっていたことに小さく息を飲んだ。
(血のにおい…)
思わず身震いしたら、それに気付いたらしいミチコが無言のまま慰めるように肩を叩いてきた。
頭の中を見透かされているような気分だ。
「かなり離れたところに棄ててきたからもう来ないよ。安心してお眠り」
ヒバリはヒバリで俺を慰めるように言う。
まるで柔らかで生暖かい繭の中に、囲われて守られているかのように。


