そんなミチコの背中を、ヒバリは微笑ましいと言わんばかりに見ている。
無表情と全く変わらないのに、その目許だけは微笑んでいるような……。
「ちょ、あんたなに赤くなってんの。ちょっとヒバリ、あんた何かした?」
ヒバリの微笑が綺麗で綺麗で、思わず赤面した俺をミチコが訝しげに抱き上げる。
「バッ、変なこと言うんじゃねーよっ」
「だってあんた、顔、真っ赤だよ?言っとくけどアイツ正真正銘の男だよ?あんたと一緒のもんが付いてるんだよ?ぶらさがってんだよ!」
「ウルセー!そんくらいわかってる!女が下品なこと言ってんじゃねーよ!」
こいつ俺をバカにしてんのか、と思わず赤面したまま反論すれば。
「ならいいんだけどさぁ、アイツ、私のだから盗らないでよ」
そんな一言が返ってきた。ノロケか。
「盗らねーよ!」
慌ててそう言い返したが、ミチコは俺を抱き上げたままなにやらブチブチと小言を言い続けてやがる。
なんなんだこいつ、めんどくせぇ。


