AEVE ENDING other storys






「うわわ…っ」

急に訪れた強烈な浮遊感に思わずヒバリの頭にしがみ着く。

それを気にした風もなく、ヒバリは眼下数メートル下に広がる地面を見下ろしていた。

重厚な音を立てて揺れている地面は、少しずつ地形を歪めながら地鳴りを治めていく。

(…まるで世界創造だ)

天からその様を見てるなんて、尚更。






「…遅かったみたいだね」
「んー、揺れが収まってから固めるしかないか」

ヒバリもミチコも、宙に浮いているというのに慣れたものである。
まさに神の諸行だなんだと騒ぎ立ててしまうような事態だが、今のこの現代で、この不思議は解決された。



(こいつら、アダムか…!)

以前、身を寄せていた集落の大人達から聞いたことがある。

―――新人類「アダム」。
遺伝子の突然変異によりその生態遺伝子に特殊能力を組み込まれている彼らは、政府から第一級疾患者扱いされ、覚醒と同時に一般の人間とは隔離される。
その隔離された施設で様々な特殊訓練を受けるらしい。

サイコキネシス――手を使わずに物を動かしたり、宙に浮いたり、高度な技術を持つ者は瞬間移動で海すら越えられるらしい。