澪は門をゆっくりと押し開け、庭園に足を踏み入れた。 そして大きな庭石の傍にある少し小さめの庭石に腰を下ろす。 それと同時に紫煙が空へと消えていった。 「澪、そんなに俺をジロジロ見て、どうした?」 突然の小紅の問いかけに、まさか“見惚れていた”だなんて言えない澪は、 「な、なな何でもないです…!」 真っ赤になったであろう顔をそむけて、小紅に見られてしまわぬよう下を俯いた。