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「雷神が死んだってね」
「はあ、らしいですね」
「病死じゃないらしいから自殺かな殺しかな」
陛下は新聞記事の『雷神自殺』の文字を指差して故意に尋ねる。
彼はため息をつかざるをえなかった。
「俺が殺した」
「やっぱり。
床に伏すだけの老人がそんなに邪魔だったかな」
「あんたが殺してほしそうだったから」
「ふ…君と話すと、必ず殺した殺さないの話になるね、おっかない」
「それが俺の聖職者としての仕事ですから?」
「『食えない』仕事だね。
神様も酷いものだ、死神でも悪魔でもない幼気な人間に殺しを担わせるなんてさ。」
「悪魔ですよ、俺は。
死神みたいに穏やかに逝かせはしない、徹底的に貶めて汚して傷つけて死してなお地獄へ突き落とす残酷な悪魔です」
「そうやってまた演じるのかい、君がロミオを演じれば世界中が虜だろうね」
「俺にはジュリエットはいません」


