ぐしゃり。 羽に触れ押し込めば踊り子はあっけなく潰れた。 拳を震わしながらも蝶を握り、開けば跡形もない残骸となり、男の胸に屑が散る。 「ああ――…それでも、蝶は美しく舞うのだろう」 何に囚われるのこともなく鷹揚に美麗に優雅に。 かつてあった男のように。