男の尋ねに応えたいのか、それとも返事をしているのか、蝶は羽を動かし胸板で組まれた男の指に留まった。 生々しい色が何とも愛しい。 指を紐解いたって蝶は逃げなかった。 穏やかに羽を伸ばし力なく佇む蝶は。 ――…君は夢でも美しく舞うのだろう、足掻きもなく藻掻きもなく。 ただ花に抱かれ風に踊る娘にも似た蝶。 武骨な指先にいるその姿は一体何を皮肉っているのか。