「滑稽だ。
今陛下の隣に座すはこんなにも傲慢で愚かな獣かね。
嘆かわしい。
五世紀前には神の使徒も今ではただの殺戮集団に過ぎぬ、殺すことにおいて軽薄で、不誠実で、……ああ、在りし日の『陛下』は喪われてしまったか」
男の沸々と煮えたぎる業は天井へと向けられている。
「だからあなたは飛んでいるのだ」
客は、空を臨もうと藻掻く老体が伸ばしたもう片方の翼をも切る。
空間の中で血管が飛沫を挙げそうなほどに、その一言は鋭利で残酷で冷徹であった。
「片翼を嘆き盾をも捨てた、無意味に喚くあなたの方が陛下は可笑しくて仕方がないでしょうよ」


