「そんな古いもの、一体どこから持ってきたの?」



娘の問いかけに答えずに、うっすらと埃がかぶったアルバムに目を向ける。



埃はかぶっているもののずっと陽に当たることはなかったのかして、その色は当時のまま鮮やかな水色だった。



……まるで、色褪せることのない思い出のように。




娘は私の言葉や視線など全く気にせずに、我が物のようにアルバムを開く。



「二階の古い本棚から出てきた。でも今はそんなことより、これ見てよ!これって、お母さんに向けて書かれた告白だよね!?」



娘は興奮冷めやらぬ様子で、開いたページをぐいっと私の正面に突き出した。



近すぎて見えないよと言えば、娘は少し冷静さを取り戻して私に見やすいようにアルバムの向きを変える。



やっとのことで目にしたそのページは、私にとってはとても印象深いものがあった。



そこにあるのは私が“あの人”に向けて書いたメッセージじゃない。