「ふっ、二人とも、何を見てたんだ?」 ぎくしゃくした様子で尋ねる夫がなんだか面白い。 嘘をつけないのは、ある意味彼の良い所なのかもしれない。 あの頃の面影が残る夫の顔を見て、柔らかく微笑む。 「誰かさんからの、寄せ書きレターよ」 ――あのとき、思い出が詰まったアルバムに託した想い。 それはまた、新たな思い出を連れて私たちを包み込んでいた。 ―END―