私の家に住みませんか?【完】






最初はびっくりした顔をしてたけど、

だんだんと小麦の顔は
曇っていった。



そして、






「ごめんなさい。

 今はできない…」




と言われた。






あー、
調子にのった……


もっと慎重にするべきだった。




でも、小麦の口からは
意外な言葉が出た。







「私も蓮さんと結婚したい。


 けど、今は
 自分の夢叶えたいの…」



“夢を叶えたい”



4年前の俺と一緒だ……





「……小麦」







「だから、私の夢が叶うまで


 待っててくれますか?」







“待っててくれますか”



小麦は俺を待っててくれた。


4年間も。
しかも離れた所で。



俺は小麦の傍に
これからもずっといたい。


だから、俺の答えはもちろん。





「うん。待ってる。

 叶ったら結婚しよ。」





小麦の目からは
止まったはずの涙が
また溢れてくる。


まったく…




「また泣いたー」




俺は笑った顔が好きなのに…


俺は小麦を抱きしめる。


相変わらず小さくて…




「だってぇ………」






「……まったく
 しょーがねーなー。」






泣き止まない小麦に、




俺は小麦の唇に俺の唇を
重ねた。



4年振りのキスは

4年分の愛しさがこもった
キスだった。



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