洗い物を済ませ、
テレビを見ようとリビングに
行こうとしたら、
縁側に蓮さんがいた。
夕飯中も
ずっと不機嫌そうだった。
私、何かしたかな……?
もしかして、新の事!?
とりあえず蓮さんに話しかける。
「れーんさん!」
蓮さんの肩を叩く。
びっくりしたように振り返る。
「……………」
黙ったままだった。
「何怒ってるんですか?」
私は隣に座る。
1月の夜風が肌にあたり
ひんやりと冷たかった。
「………別に…」
そう一言だけ言った蓮さんは
また黙ってしまった。
「蓮さん?」
私は呼び掛ける。
蓮さんはそっぽを向いたまま。
私は一呼吸おいて、
「私の中では
蓮さんが一番ですよ」
そう言うと、
さっきまでそっぽを向いていた
蓮さんがびっくりした様子で
こっちを向いてくれた。
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