私の家に住みませんか?【完】






蓮さんの家族はみんな
優しかった。



私は蓮さんの家族と
たわいのない会話を楽しんだ。



蓮さんはいつも遠慮がちに
しゃべらないのに、
やっぱりお家だからかな。
良くしゃべった。


時には
私のフォローもしてくれた。


どこにいても蓮さんは
優しかった。



そんな蓮さんをもっと好きになった。




「小麦ちゃん、ご家族は?」



蓮さんのお母さんに聞かれた。


一瞬、答えるのに断った。


蓮さんは何かを悟って
口を開いたけど、
私はそれを遮った。




「父と兄がいます。」




「あ…
 なんかごめんね……」




あちゃー。
気、使わせちゃった…。




「いえ!全然!

 だから、今嬉しいです。」



蓮さんのご家族が
優しくしてくれて。


ご飯並べたりする時に
「手伝って」とか言われるのが
すごい嬉しい。

当たり前のこと何だろうけど
すごい嬉しい…。




「母がいなくても、嬉しいこととか、
 たくさんあります」




多分、お母さんがいたら
下宿屋なんて開かなかった。


そしたら、蓮さんに会えてない。


蓮さんの事が好きなのか
悩む事はなかった。




「小麦ちゃんいいこ!」



私は蓮さんのお母さんに
抱きしめられた。


礼美ちゃんは
ポカンとしていた。




「………………っ…」



私は嬉しくなって
また泣いてしまった。


最近、良く泣くな…私…。



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