「甘利ちゃんっ!」
私は慶くんのために、
甘利ちゃんに彼氏がいるか
聞いてあげる事にした。
「なにー、小麦ちゃん」
甘利ちゃんは大学の課題をやっている。
「甘利ちゃんってさぁ
彼氏いる?」
甘利ちゃんの手が止まり、
こっちを向いて
「何いきなり?!」
「いやぁー、甘利ちゃん綺麗だし、彼氏の一人や二人くらい…」
「いたらどうする?」
甘利ちゃんは悪戯っぽい
笑顔を見せる
きっと慶ちゃんが見たら
死んじゃうだろう
「え、別にどうもしないけど…」
「小麦ちゃんは?」
「え!?」
思わぬ返しに思わず声が裏返る
「彼氏いないの?」
「いないよ!全然いない!」
「じゃあ、好きな人は?」
好きな人……
「いないよ?」
「小麦ちゃんも高校生なんだから
好きな人くらい作りなよー」
.

