私の家に住みませんか?【完】






『紬………』




『やめろよ!母さん!』



お兄ちゃんが私を庇う。




『紬も小麦の味方なの!?』



『ちげーよ!!

 でも、小麦は悪くないだろ!』




『なに、偉そうに!

 どうせあんたが悪者よ!

 あんた達なんか、

 あたしがいなければ

 生まれて来なかったんだから!

 産んだあんたが間違いだったわよ!』




もの凄く理不尽な事を
言っていると思った。




『こんな糞みたいな家、

 二度と帰って来ないわよ!』




そういうとお母さんは
引き出しのお金を持って
出て行った。






『……………お…に…ちゃん』




『大丈夫か!?』




『…………ご…め…ん……』




お兄ちゃんも父さんも
お母さんが大好きだったのに…




『小麦は悪くねぇよ。

 待ってろ?
 今氷持ってくるから。』


――――――…
――――
―――





「……その日以来、

 小城家では、『お母さん』
 の話は一切しなくなった…」




これが小麦の過去。


レンタさんは黙っている。



「小麦は昨日、

 『お母さん』って読んだらしいです。

 アイツはきっと、

 大野さんを
 信頼してると思う。」




「………………」





「それを言いにきました。

 忙しいのにすいませんでした」




俺は小麦の家を出る。





「……はぁー」





俺、めっちゃいい奴じゃん。






天野新。


今朝、失恋しました。



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