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テストの返却がある程度行われ、多江は上機嫌のままゲームセンターに来ていた。思っていた通りの高得点に気持ちが舞い上がっているのだ。
槙と千洋と優一は相変わらずの点数だったらしいが、千波は宣言していた通りいつもよりはいい点数だった。それでも六十点代らしいが、千波からすれば進歩しているのだ。多江はそれを少なからず嬉しいと思った。
「こーみちゃんもね、結構いい点数だったんだよ。千波負けちゃうかも」
「ふぅん。何点?」
「えーとね、七十とか…八十とか…そのくらいだったかなー」
「それ完璧に負けてんじゃねえか」
「これからだもん。ていうか、仲山くんには言われたくないー」
七十か八十。
いつも自分の上に居るその生徒では無さそうだと、多江は思った。今回のテストでも、その生徒は高得点を叩き出しているに違いないが、もしかしたら今回は勝てるかもしれない……。そんな期待を胸に、多江は一人小さく笑った。
