いじめがえし


多江を遊びに誘ったように、千洋は千波にも同じように誘った。それに当然のように賛成をする千波。そして千波が多江を誘えば、多江は久しぶりだからという理由でそれに了承した。

そのあとすぐ槙が来て、一緒に遊ぶことに槙も賛成した。あとは優一だけだと千洋が思っていた矢先、優一が教室へと入って来た。


「おー、待ってたぜ優一」

「……何?」


朝が弱い優一は、その中性的な顔で不機嫌さを表しながら千洋へと反応を示した。それに気付きながらも、優一が朝弱いと分かっている千洋は気にせずに話しかけた。


「放課後遊びに行こうぜって話してたんだよ」

「……ああ、うん」

「この四人とお前でな」

「分かった」


気だるそうに返事をして自分の席へと座った。それから机に突っ伏せる。それが優一の朝のスタイルだった。


「加賀見っていつもああだよね」

「あいつ朝弱いからな」

「でもさぁ、すっごく羨ましいよねー」