その言葉に、多江はまたため息を零した。
テストが終わったから遊びに行く?どうせ自分たちはテスト週間だろうがテスト期間だろうが遊んでいるくせに。
多江の思っているのが分かったのか、千洋は片眉を下げながら声を出した。
「まぁ、確かに俺も優一も碌に勉強なんかしてないし、テストだってヤバい点数だと思うけど」
「そんなのでよく進級出来たよね」
「サンキュー」
「褒めてないの」
「あれれー? 多江もう来てたんだね、おはよー」
二人の会話の中に別の声が入って来た。
多江の友達、千波だ。
「おはよう千波」
「うん、仲山くんもおはよー」
「はよー」
多江と千洋が割りと親しい仲のため、千波と槙も千洋と仲良くしている。この四人に優一を加えて五人で遊びに行くことは多々ある。
そして今回も千洋は、その誘いをテストが終わってから提案して来たわけだ。テスト期間中だと多江は絶対に遊んだりしないことを、この四人は知っている。
