だけどそれは彩に気を遣わせないための嘘で、本当は彼女たちが言うように用事があったのかもしれない。


英知の性格を踏まえれば、どっちが嘘をついているかなんて考えるまでもない。


思い返してみれば、公園を出るとき英知は誰かに電話を掛けてた。
きっとそのときに彼女たちとの約束を断ったんだ。


「買い出し手伝ってくれるって、英知が言い出したのに。
―――ていうか、その人誰?」


ボブの子の目が彩を見た。


彼女が憮然としている理由は、きっと英知が買い出しをサボったからだけじゃない。


彩は直感で、彼女が英知のことを好きなのだと分かった。