「早川、お前今日の日直だったよな。
この後仕事を頼みたいから、職員室に来てくれ」

授業が終わり、秀平と帰る準備をしていたとき、廊下から顔を出した担任に声を掛けられた。

今日の日直は私とタケル。
教室を見回すとタケルの姿は見えない。

「タケルの代わりに、俺が一緒に行こうか?」

秀平にそう聞かれて首を振る。

「さっきまでそこらへんにいたし、探してみるから大丈夫」

日誌もいつもほとんど私が書いてるし、少しくらいタケルにも仕事させなきゃ。

「じゃあ教室で待ってる」

そう言う秀平に手を振って教室を出ると、すぐに廊下でタケルの姿を見つけた。

さすがに、バスケ部だけあって背が高いから目立つ。

「いたいた、タケル…」

一人で廊下に突っ立って何してるんだろう。
そう思いながら近付くと、彼の陰になっていた久美子が目に入った。

久美子と一緒だったんだ。

二人は楽しげで、時折、久美子がタケルに触れたりして、まるで恋人同士みたいに見える。

二人は私に気付いてこっちを見た。