私の心臓がまた高鳴る。
落ち着け、私。

目の前の秀平は一人落ち着いていて、何だか不公平。
私ばっかり意識してるみたいじゃん。

秀平を直視できないままコーヒーを飲んでいると、ふと棚の上の写真が目に入った。

「これって、秀平?」

私は写真立てに近付く。

写真は小学校の入学式。
緊張した顔でジャケットを着てるくせに、半ズボンなのがかわいい。

「他にも見たいな。
アルバムってある?」

出会う前の秀平を見る機会なんて、家を訪ねない限り、そうないもんね。

「小っちゃいときのは親が丁寧に貼ってたけど、最近のは枚数も少ないし、ろくに整理もしてないからな…。
ぐちゃぐちゃだけど、それで良ければ」

そう言いながら出してくれたアルバムをさっそく開くと、赤ちゃんのときの秀平。

かわいい、かわいすぎる。