あっと言う間に週末。
少し早い、秀平の誕生日。

昨日の夜も、今日のことばかり考えてよく眠れなかった。

すごく緊張してる。
だけど、一晩中一緒にいられるのを楽しみにしていたのも本当。

今朝は早起きしてケーキを焼いた。
秀平好みに甘さ控えめにして。

髪も念入りに巻いて、服も一番お気に入りのワンピを着て。

家を出るまでは大丈夫だったのに、秀平の家の前まで来ると、いっそう緊張が高まってきた。

髪の毛はやっぱりまとめた方が良かったな、とか。
ワンピの丈が短すぎたかな、とか。
彼の玄関で悩んでると、秀平から着信があった。

「今どこ?」

時間になっても現れない私を心配して電話をくれた様子。

今着いた、と慌てて言うと、秀平が携帯電話を耳に当てながら玄関から顔を出した。

「───いらっしゃい」

彼は私の顔を見て笑った。