「気まずいだけじゃないか…」 僕は調理台に突っ伏した。 今、この家には実早ちゃんがいない。 「会いたいな…」 ブラウン管越しじゃない、本物の実早ちゃんに会いたい。 実早ちゃんの笑顔を見ればきっとこのモヤモヤも少しは晴れるはず…。 神経をすり減らす樺摘さんとの同居の中でそれだけが救いだった――…。