「はい?」


 三島さんは私の言葉に驚いた顔をし、私も、自分で言った事を早くも後悔しはじめたけど、一度言った限りはもう後には退けない、よね?


「彼と奥様との、その……交際、やめさせるようにしますから、どうか気を落とさないでください」


 私は胸を張ってきっぱりとそう言った。ただし、


「ただ、すぐにとは行かないと思いますので、少しお時間を頂きたいんですが……」


 時間的な猶予をもらう事は忘れなかった。


 三島さんとは、互いに裏に携帯の番号を書いた名刺を交換して別れた。名刺を見ると、三島さんは孝司さんという名前で、肩書きのない、いわゆる平のサラリーマンという事が分かった。会社の名前は、どこかで見た事があるような……

 そんな事より、どうやって陸に不倫を止めさせるか、だわよね……