同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

 三島と名乗った男は次に何を言うのか。そう思って私は男、いや三島さんが話すのを待ったが、彼は私の顔をジッと見たり、窓から外を見みたりするだけで、なかなか話を始めない。

 運ばれて来たコーヒーを彼は一口すすったけど、まだ話そうとしない。


 そんな三島さんにイライラし、業を煮やした私は、

「あの……私はこれから出勤なので、あまり時間がないのですが?」

 と言った。すると三島さんは、


「そうですよね。では言います」

 と何かを決心したかのように言い、しかし

「あの女は、実はその……」

 と言って口ごもった。あの女、つまり陸の彼女は、実は何?

「恥ずかしながら……」

 恥ずかしい? 何で? もう、イライラするなあ。


「私の妻なんです」


 え?