同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

 椅子に腰掛けるとすぐに、可愛いメイド服を着たウェイトレスさんが水の入ったグラスを私の前に置き、私がアメリカンコーヒーを頼むと、男も同じものを頼んだ。


 ウェイトレスさんが立ち去ると、

「私はここで見張ってたんですよ、昨日も」

 と男は、抑え気味の静かな声で言った。


 見張っていた?
 昼間に人を見張るって、もしかして……


「あなたは探偵さんですか?」


 私は思った事をそのまま口に出していた。

 しかし一瞬の間を置いてから、男は、


「いいえ、違います。私は三島と言います」

 と名乗ったので、私も半ば反射的に、


「私は中山と言います」

 と名乗ってしまった。