同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「我々の父親は次男坊ですから、いわゆる分家の身です。私は一条海、こっちは弟の陸です」


 海と陸? 安易な名前……

 思わず私はぷっと吹いてしまい、弟の陸とかいう子と弘子伯母さんから睨まれてしまった。


「この子達はわたしの姪で、上から春、夏、秋、冬という名前ですのよ」


 伯母さんが私達を紹介すると、海さんは“え?”と驚いた顔をし、陸さん、いや単に陸でいいわね、は……


「嘘だろ? 安易な名前、おもしれ~!」


 と叫んでゲラゲラ笑い、海さんからたしなめられていた。

 私達姉妹の名前は確かに安易で、昔から人に驚かれたり笑われたりはよくあったけど、ここまで無遠慮に大笑いされたのは初めてだ。


 陸って、チャラいし礼儀をわきまえないし、超イヤな奴!