綺麗な目……。まるで、宝石みたい。


 私は、私を見つめる陸の目に、魂が吸い込まれて行くような気がした。そして、その目がゆっくりと近付いて来たけど、金縛りにあったみたいに動けなかった。


「あっきー、嫌ならやめるよ?」


 嫌って? やめるって、何を?

 頭が働かずにボーっとしていたら、唇に柔らかくて、温かい何かが触れた。


 私、陸にキスされてるんだ……

 男の子の唇って、もっと硬いものだと思ってた。こんなに柔らかくて、温かくて、甘いなんて知らなかった。食べちゃいたいぐらい……って、え?


 私はハッと我に返ると、陸の胸を手で押し退けた。そして、

パチーン

 陸の頬を思いっきり叩いていた。