「うわっ」

「きゃっ」


 ズッデーン


 陸がバランスを崩し、私は彼に重なるようにして、カーペットが敷かれた床に二人して倒れこんでしまった。


「痛っえ……」


「陸、ごめん。大丈夫? どこか打った?」


「あちこち打ったよ。頭とか……」


「頭!?」


 私は陸の後頭部に手をやった。血は出てないけど、プクッとタンコブが出来ていた。


「吐き気とかはある?」


 もしあったら、お医者さんに看てもらわないといけないと私は思った。


「いや、それはない。頭は大丈夫だと思うけど、顔が……」


「顔?」


「近いな、と……」