同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

『うそだー!?』


 また夏姉とハモってしまった。正確には「うそだー!?」と言ったのは私で、夏姉は「うそっ」って言ったんだけど。


「嘘じゃねえし」


「嘘ばっかり。日本人がそんな黄色い髪して、グレーみたいなグリーンみたいな妙な色の目をしてるわけないでしょーが」


「半分外人だからな」


『えーっ』


「いちいちうっせえなぁ。俺の母親はオランダ人なの。オッケー?」


「じゃ、じゃあ海さんも?」


「いや、兄貴は純粋な日本人さ」


『………!』私も夏姉も絶句して声が出なかった。


「俺はおやじの愛人の子供ってこと」


 陸はこともなげにそう言うと、空になったご飯茶碗を夏姉に差し出した。