同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「食わねえの?」


 ボーっとしてたら、陸にそう言われてしまった。


「た、食べるわよ」


 サンマにカボスを絞り、お醤油を垂らすとジュッとなった。お箸でそれを摘まんで口に入れると、脂の乗ったサンマの、何とも言えないうまみが口いっぱいに広がった。

 私はどちらかと言うとお肉よりお魚が好き。特に旬のお魚は大好き。


 というような事は置いといて……、そうとなればますます陸がどんな男か、確かめなくっちゃね?


「ねえ、陸……さん」


「“陸”でいいよ」


「え?」


「なっちゃんから聞いた」


 なっちゃん? ああ、夏姉の事か……。さっきリビングで話してたのは、そういう話なんだな。

 なっちゃん、じゃなかった夏姉を見ると、顔を真っ赤にしていた。