私は部屋のドアをガバッと開くと、「冬!」と怒鳴った。


「またあんたはマンガばっかり読んで……ないの?」


 てっきりマンガを読んでると思った冬は、勉強机に向かって座り、手にはシャーペンを持っていた。


「秋姉、お帰り~」


「あ、ただいま。冬、あんた何してんの?」


「何って、勉強に決まってんじゃん」


 私は冬に近寄り、冬のおでこに手を当てた。


「熱はないようね……」


「失礼だなぁ、もう……」


 冬は私の手を払うと、ほっぺをプクッと膨らませた。


「だって、どういう風の吹き回し?」