同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「もしかして、私?」


「そういう事」


 私は陸のこの目に弱い。この目で見つめられると、抵抗出来なくなる。


「いいけど?」


「よし」


 陸はサッと手を上げ、ちょうど通り掛かった空車のタクシーを停めた。

 そしてタクシーに乗り込むと、都心の一流ホテルの名を運転手さんに告げた。


 それから携帯を取り出すと、どこかへ電話を掛け始めた。


「もしもし。一条ですが、うちで抑えてるスイートは空いてるかな?」


 どうやらそのホテルに電話してるみたい。でもスイートって……