同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「秋から最初にメールをもらった時は、さすがに驚いたよ。こんな偶然もあるんだなって」


「そうね……。運命だったりして」


「かもな。あとは結衣の事だけど、どこから説明すればいいかなあ……」


「そんなに複雑な話なの?」


「まあな。ひとつの小説になるくらいさ」


 陸はコーヒーカップを口に運び、腕時計をチラリと見た。


「あまり時間がないから、要点だけをかいつまむよ」


「うん」


「結衣は少し前に、三島というサラリーマンと結婚した。妙な経緯で結婚したもんだから、俺はあいつの事が心配だった。

 ちょうど海兄貴が結衣達の新居の近くに居候すると聞き、俺も一緒に着いて行った。結衣を近くで見守るために」


 陸がうちに来たのは結衣さんの近くだから、という私の想像は合ってたわけね……