同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「こんのー、大嘘つき!」


 私は立ち上がると、陸の頭をポカポカっと叩いた。悔し涙を流しながら。

 陸は、そんな私の手首を掴んで言った。


「後でいくらでも殴っていいから、今は大人しくしてくれ。追い出されちまうだろ?」と。


「追い出される前に、私から出て行くわよ! ついでにあんたは、私の家から出てって!」


 そう叫んだけど、陸は手を放してくれなかった。


「放してよ! 放せ、バカ! あんたなんか……うっ」


 陸にギュッと抱き締められ、顔が陸の胸に埋まって大声を出せなくなってしまった。


「放さないよ」

 と耳元で陸は言い、

「なぜ?」

 と私が聞くと……


「好きだから」


 そう陸は囁いた。