同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

 というような心配をしたけど、紅葉ちゃんが指定したのは、ちょうど春姉の会社の側にある喫茶店で、時間は夕方だった。よかった……


 早速その事を筒井女史に報告する事にした。


「編集長。私、今日は夕方早めに社を出て、そのまま直帰したいんですけど、よろしいでしょうか?」


「いいけど、どこへ行くの?」


「はい。実はですね、紅葉ちゃんが会ってくれる事になったんです。私とだけですけど」


「あらま。それは良かったわね?」


「はい。これで打ち合わせがしやすくなりますし、紅葉ちゃんがどんな女の子なのか、会うのが楽しみです」


「案外、男の子だったりしてね?」


「えーっ!? まさかあ」


 筒井女史は冗談で言ったんだと思う。あの紅葉ちゃんが男だなんて、絶対有り得ないもの……