「おまえなあ……」と言いながら陸は私を見た。


「前を見てて!」


「お、おお。でもおまえ、もっと自分に自信持てば? 顔も体も、俺はいいと思うぞ。性格には若干の難あり、だけどな」


「ほっといて!」


 何が顔も体もいい、よ。
 え? 体って……!?

ポカッ

 私は陸に裸を見られたのを思い出し、思わず陸の頭を叩いていた。


「痛えなあ。いきなり何すんだよ? 運転中だぞ」


「あの事は忘れてって言ったでしょ!」


「そんなの無理だよ……」


 無理かあ。
 それを言ったら、私だって無理だよ……