同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「シートベルトをして?」


「うん、わかってる」


 と言ったものの、どうやるのか良く分からなくて、もたもたしてしまった。


「しょうがねえなあ。こうやるんだよ」


 そう言って陸は私の体に覆いかぶさるようにして、シートベルトの閉め方を教えてくれた。


カチャッ


「な? 覚えたか?」


「う、うん、たぶん……」


 私は、陸の顔があまりに近くて、実はシートベルトどころではなかった。


「たぶんって、おまえなあ……」


 陸は呆れ顔で私を見た。陸の顔と私の顔の距離は、ほんの数センチしかなかった。