同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

「ちょっと、勝手に入らないでよ」


「いつまでも言い合うのがじれったくてさ……」


 陸は私に近付くと、私が掛けてる布団を掴み、バッと剥いでしまった。


「きゃっ、何すんのよ!」


「いいから、早く着替えろー! 何なら俺が脱がしてやろうか?」


 そう言って陸は私に手を伸ばした。コイツ、ほっとくと本当にやりかねない。


「わ、分かったわよ。着替えるから、早く出てって」


「よし。じゃあ下で待ってるから」


 私は「うん」と言い掛けて、夏姉の事が頭に浮かんだ。陸と一緒に出掛けたりしたら、夏姉が何と思うか……


「ちょっと待って」


「ん?」


「夏姉は?」


「なっちゃん? 彼女はいないよ。買い物に行くとか言ってた」


「そう?」


 じゃあ、いいかな。