同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

 陸と、三島夫人の話をする機会も勇気もないままに日にちが過ぎた土曜日。私がゆっくりと惰眠を貪っていたら、コンコンと誰かが部屋のドアをノックした。春姉か夏姉だろう。


 同室の冬は、朝早くから友達と出掛けていて部屋にはいない。
 ベッドから出るのも面倒なので、「開いてるよ~」とドアに向かって大きな声で言うと、勢いよく開いたドアから現れたのは、春姉でも夏姉でもなく、陸だった。


「な、何の用?」


 私は咄嗟に掛け布団を顎の下まで引き上げながら、上半身を起こした。
 普通にTシャツを着てるし、ブラもちゃんとしてるから、本当は隠す必要はないんだけど、条件反射というか、女の防衛本能か、たぶんそんな感じで。


「そんなに警戒すんなよ? 何してんのかな、と思ってさ」


「別に何もしてないわよ。寝てるだけ」


「今日は天気いいのに、もったいねえなあ」


「ほっといて。余計なお世話」


「ドライブに連れてってやるよ」


 えっ?