同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~

 ところが冬は、

「奪えばいいじゃん。彼女がいたって」


 と言った。顔色ひとつ変えずに。


「冬、あんたって子は……!」


 そう言って私が睨み付けると……


「な~んてね。あたしはもう陸君は諦めてるよ」


 と言ったので、私は拍子抜けしてしまった。


「陸君にはあの手この手で迫ってみたけど、全く相手にしてもらえなかった。陸君には好きな人がいるわ、間違いなく」


 陸には人妻の彼女がいるのだから、好きな人はいて当たり前だけど、“あの手この手”って、何?


「冬、あんたどうやって陸に迫ったのよ!?」


「え? 言わな~い。ヒント、秋姉には不足してるものだよ」