「ではでは、俺はジュースでも買いにいくから。後はお若いお二人で」
財布をもった祐介は、そそくさと歩き出した。
「おい!祐介、ちょっと待てって!」
僕の呼ぶ声など聞こえないフリをして、振り向きもしない。
そのまますぐに人ごみへ消えてしまった。
困ったな。
話の取っ掛かりを見つけられずに僕が黙り込んだせいでしばらく沈黙が続いた。
先に口を開いたのは彼女だった。
「ねえ、あたしのことはどうやって知ったの?」
「ええっと。祐介から聞いててさ。」
僕は適当に話を合わせるよう努めた。
「ホントはね、もしも変な人だったら遠くから見て帰ろうと思ってたの。」
「じゃあ、見た目は合格ってこと?」
何も言わず微笑んでいる彼女を見て、僕は少し照れた。
だけど、そろそろ話の本題に入らなくてはいけなかった。
「あのさ、真美ちゃんて妹いるよね?」
穏やかな彼女の表情が曇る。
「妹はいるけど、亡くなったの。3年前にね。それがどうかした?」
「妹さんが君に見せたがるような大事なものって何か思いつかないかな?」
「ごめん、話が全然見えない。どうして妹の話がでてくるの?」
「妹」という単語を出してから、彼女は苛立っているようだった。
「仲は良かったのかな?」
僕は必死に会話をつなぐ。
「待って。妹の話はやめて。もう忘れたいのよ。」
だけど、彼女は僕の話に聞く耳をもってくれそうになかった。
「美奈ちゃんの失くした物探してるんだよ!君に見せたいものだったらしいんだ。」
「何の話?いいかげんにして。美奈はあたしのせいで死んだの!見せたいものなんてあるわけないじゃない!」
「僕には美奈ちゃんの『声』が聞こえるんだ!君に見せたいって!」
思わず、言ってしまった。
決定的なミスだった。
真美の目からは大粒の涙が零れ落ちていた。
「そんないいかげんなこと言う為にあたしを呼んだの?」
震える声で彼女は言った。
「さよなら。」
降りしきる雨の中に飛び出していく彼女を、僕は追いかけることができなかった。
財布をもった祐介は、そそくさと歩き出した。
「おい!祐介、ちょっと待てって!」
僕の呼ぶ声など聞こえないフリをして、振り向きもしない。
そのまますぐに人ごみへ消えてしまった。
困ったな。
話の取っ掛かりを見つけられずに僕が黙り込んだせいでしばらく沈黙が続いた。
先に口を開いたのは彼女だった。
「ねえ、あたしのことはどうやって知ったの?」
「ええっと。祐介から聞いててさ。」
僕は適当に話を合わせるよう努めた。
「ホントはね、もしも変な人だったら遠くから見て帰ろうと思ってたの。」
「じゃあ、見た目は合格ってこと?」
何も言わず微笑んでいる彼女を見て、僕は少し照れた。
だけど、そろそろ話の本題に入らなくてはいけなかった。
「あのさ、真美ちゃんて妹いるよね?」
穏やかな彼女の表情が曇る。
「妹はいるけど、亡くなったの。3年前にね。それがどうかした?」
「妹さんが君に見せたがるような大事なものって何か思いつかないかな?」
「ごめん、話が全然見えない。どうして妹の話がでてくるの?」
「妹」という単語を出してから、彼女は苛立っているようだった。
「仲は良かったのかな?」
僕は必死に会話をつなぐ。
「待って。妹の話はやめて。もう忘れたいのよ。」
だけど、彼女は僕の話に聞く耳をもってくれそうになかった。
「美奈ちゃんの失くした物探してるんだよ!君に見せたいものだったらしいんだ。」
「何の話?いいかげんにして。美奈はあたしのせいで死んだの!見せたいものなんてあるわけないじゃない!」
「僕には美奈ちゃんの『声』が聞こえるんだ!君に見せたいって!」
思わず、言ってしまった。
決定的なミスだった。
真美の目からは大粒の涙が零れ落ちていた。
「そんないいかげんなこと言う為にあたしを呼んだの?」
震える声で彼女は言った。
「さよなら。」
降りしきる雨の中に飛び出していく彼女を、僕は追いかけることができなかった。


