「いいよ。」

少女の瞳から再度雫が落ちる時、俺の口はそう呟いていた。

「・・・え?」


俺は完全に少女と俺を重ねて見てしまった。

頭では駄目だと理解してるのに気持ちはもうすでに決っていたんだ。

先の事なんて関係ない。
もうそうするしかない、と。


同情?

共感?


いや、ただこのまま帰したらいけないような気がした。


彼女の家にはもう逃げ場はない。

帰るべき場所が安らぎの場所とは限らない。



このまま帰したら絶対後悔する。






少女の事をわかってやれるのは"俺だけ"なんだ。