静かな灰色の世界で一人佇(タタズ)む俺。 流れる時は長くて遅い。 "もう我慢できません。ごめんなさい" そう綴(ツヅ)られた手紙を読む俺ははたから見ればいたって冷静。 きっと皆こう言うだろう。 "冷血動物のようだ"と。 だけど違う。 心は確かに泣いていたんだ。 あの時から雨は降り続けている。 止むきっかけを無くして狂ったように降り続けていたんだ。 .