エレベーターを降りて千寿ちゃんを
探していると、
後ろから

「花菜。」

と呼び止められた。

「千寿ちゃん。」

ちょうどタイミング良く千寿ちゃんが
声を掛けてくれた。

「あたしのアバクロ似合ってるね。
でも、やっぱり胸が足りないかなぁ。」

カーディガンも着ているし、コートも着てるから胸が足りないことなんて分からない筈なのに、嫌味っぽく言った。

「胸足りないの分かんないじゃん。
意地悪なんだからぁ。」

「ちょっとコート脱いで見せてよ。」


千寿ちゃんに言われてコートを脱いでいると、
柏木が通りかかった。