アリアは図書館から出て、数冊の本を持ちながら自分の仕事部屋に戻った。
何かを考えていたナーナだったが、本人が「私の考え過ぎ」と言い張って教えてはくれなかった。
いつもはズバズバ言うナーナが、黙ったままなのは珍しい事だった。
アリアはテーブルに本を重ねて置くと、中庭がよく見える窓に近づき戸を開けた。
木星の窓枠がギギッと音を立てた瞬間に、暖かい風が部屋に入り込む。
と……それと同時に、人の笑い声が聞こえてきた。
窓から顔を出せば、すぐ近くの花壇前へ設置されたベンチに集まる影。
「あっ!アリア!」
その中の一人、アンナが窓を開ける音に気付いて、アリアを呼んだ。
アンナの他の2人も、アンナの声にアリアのを見た。

