魔女の幸せ




「あ…そう言えばナーナ。
こないだ、ウィル王子からって上等なドレスが部屋に届いたんだけど…」


ウィルが居た事で送られてきたドレスを思い出したアリア。


ナーナは、パタッと作業を止めると、後ろにいるアリアを見た。



「……ドレス?」

酷く驚いた顔のナーナに、世間話程度に考えてたアリアは、言葉が出なくなり、コクコクと頷く。




「王子がドレス……!?…いや…でも……考え過ぎかな…」


ブツブツ言いながら考えるナーナを見てアリアは、
「言わない方が良かったかも」
と後悔をしていた。




「それから何か話したの?」


「無い……ってか、ちゃんと王子に会ったのだって初日くらいだよ」

アリアの言葉を聞くと、
「そう…なら何も意味は無いのかもしれない」
とナーナは考えるような顔のままで答えた。